電力機器用コンデンサ よくあるご質問
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進相コンデンサの設置容量は、負荷容量、改善前力率及び改善後力率によって、下記式で算出できます。(JEM-TR 182)
COS θ1 | : | 力率改善前の力率 |
---|---|---|
COS θ2 | : | 力率改善後の力率 |
Q | : | 力率をcos θ1からcos θ2に改善するためのコンデンサの容量(kvar) |
S | : | 負荷容量(kVA) |
P | : | 負荷容量(kW) (P=S×cos θ1) |
現在は、高圧受電設備規程(JEAC 8011)に次のように記載されており、変圧器容量の1/3でコンデンサ容量を選定しないことが求められています。 「従来から広く用いられてきた“三相変圧器容量の3分の1程度”という選定基準は,その前提条件が現状とは合っておらず、結果として過剰なコンデンサ容量が選定されるため、そのような基準でコンデンサ容量を選定しない。」 従来用いられてきた変圧器容量の1/3は、負荷力率を80%程度と仮定し、これを95%に改善するという前提で設定されたものです。(JEM-TR 182) 以前は変圧器容量と負荷容量が同程度で選定されていましたが、現在は負荷容量に対し裕度を持った変圧器容量を選定されているため、本選定方法では過剰なコンデンサ容量が選定される場合があります。コンデンサの容量はトランス容量ではなく負荷容量から無効電力を算出して、コンデンサ容量選定すること必要です。
高圧受電設備規程(JEAC 8011)、内線規程(JEAC 8001)にコンデンサの容量選定について記載されておりますので参考にしてください。
進相コンデンサは、主として力率改善用を目的として製作されています。そのため、1日数回の開閉回数は問題ありませんが、これを大幅に超える特殊な使用方法の場合は、製造業者と個別に仕様を取り決める必要があります。 開閉回数の目安は、高圧1,000回/年、低圧5,000回/年です。(JEM-TR 182)
コンデンサに油滲みがあった場合は、継続使用をやめて交換をお願いします。
内線規程(JEAC8001)および高圧受電設備規程(JEAC8011)で、直列リアクトルの設置が義務化されています。
接地用コンデンサの容量は、地絡継電器の動作電流値によって決定します。 地絡時に継電器の動作電流の2倍以上の電流が流れるよう下記式によりコンデンサ容量を選定してください。
[計算式](3相の場合)
Ic=√3E×2πfC [A]
Ic | : | 地絡電流 |
E | : | 回路電圧 |
C | : | コンデンサ容量(1相当たり) |
基本的には、L=6%、許容電流種別Ⅱに更新してください。但し、L=6%・許容電流種別Ⅱ(I5=55%許容品)の耐量を超える大きなひずみがある場合には(第5調波電圧ひずみが最大で4~5 %を超えるような場所)、L=13 %の直列リアクトルを適用する必要があります。
進相コンデンサの設置位置としては、高圧側、低圧側設置、又は、分散・集中設置などの方法があります。これらは、どちらもそれぞれにメリット、デメリットがあります。
従って、このメリット・デメリットをよく理解されたうえで、設置する目的と需要家の状況に応じて設置方法を決めることが必要となります。 例えば、同じコンデンサ容量を設置した場合、高圧側でも低圧側でも力率改善効果(基本料金割引)は同じです。
力率改善による基本料金低減を主目的にするのであれば、高圧設置及び集中設置によって、設備コスト・メンテナンス面で有利になるとともに力率改善効果は得られます。
しかし、この場合は変圧器の損失低減、線路の損失低減、線路電圧降下の改善、設備余裕の増加などの効果は受けることができません。
一方、低圧設置・分散設置をしていくと、上記のほとんどの効果を得ることができますが、コンデンサ使用率、メンテナンス性の低下や設備面でもコスト高になります。
高圧受電需要家の場合は、L=6%、許容電流種別Ⅱ(I5=55%許容品)の適用が必要です。
但し、L=6%、許容電流種別Ⅱ(I5=55%許容品)の耐量を超える大きなひずみがある場合には(第5調波電圧ひずみが最大で4~5%を超えるような場所)、L=13%の直列リアクトルを適用する必要があります。
特高受電需要家の場合は、一般的には特高側のひずみは少なく特高変圧器によって構内への高調波の影響は少ないため、L=6%、許容電流種別Ⅰ(I5=35%許容品)で問題がないとされています。
しかし、近年では、自社内のインバータ装置などの高調波発生負荷が増加しており、高調波耐量の大きいL=6%、許容電流種別Ⅱ(I5=55%許容品)を採用されることが多くなってきております。
過進相になると線路電圧が上昇するため、線路に接続されている機器が過電圧になり機器寿命の短縮、更には機器の焼損につながる危険があります。
また、力率が1.0で皮相電流は最小化するが、過進相になることにより電流は増加するので、電力損失が増加します。
これらの弊害を起こさないためにも過進相は避けるべきで、自動制御の導入などにより、過進相を避けるべきです。
また、上記のようなことも踏まえて進み力率にしないように、電気供給約款、高調波抑制対策技術指針(JEAG9702)、高圧受電設備規程(JEAC8011)、内線規程(JEAC8001)にも、過進相とならないようコンデンサの開放・容量選定にするという内容が記載されております。
コンデンサのケ−スは内部圧力により元々多少膨らんでいます。
また、温度変化に伴う内部油の膨潤膨張・収縮をケースの可とう性で吸収する構造としていますのでケース膨れがあります。
ケース片側膨れ許容寸法が示されていますので、それ以下の膨れであれば正常な膨れであり、使用上は問題ありません。
ケース片側膨れ許容寸法を超えた場合は異常なケース膨れと判断してください。
コンデンサ及び付属機器を受電室やキュービクルに収納する場合には、熱影響の抑制、保守点検のために、機器配置については十分注意して配置することが必要です。 コンデンサと直列リアクトルや変圧器になどの発熱機器との間隔は、200mm以上としてください。
①高圧受電の場合で、高圧側コンデンサのL=6%品とL=13%品の混在使用は通常問題ありません。
②高圧受電の場合でも、変圧器2次側(低圧側)での同一母線に繋がれた低圧コンデンサのL=6%品とL=13%品の混在使用では、L=6%品に分流する高調波(第5調波)の割合が多くなるなど、注意が必要な場合があります。
③特高受電の場合は、上記②と同じように、特高変圧器の2次側(高圧側)や配電用変圧器の2次側(低圧側)での同一母線に繋がれた高圧又は低圧コンデンサのL=6%品とL=13%品の混在使用では、L=6%品に分流する高調波(第5調波)の割合が多くなるなど、注意が必要な場合があります。
進相コンデンサ、直列リアクトルがともに新JIS品、または共に旧JIS品の組み合わせであれば問題ありません。
SF6ガスは温室効果ガスのため大気中に放出してはいけませんので、回収業社にてコンデンサ内部に封入してあるSF6ガスを回収後、産業廃棄物としてコンデンサを廃棄してください。
弊社製SF6ガスの回収については、大陽日酸東関東株式会社に依頼している事例実績が多くありますので、ご利用ください。スムーズに回収頂けます。
太陽日酸東関東株式会社では産業廃棄物(コンデンサ本体)の処理は出来ませんので、お客様側でご対応を宜しくお願い致します。
太陽日酸株東関東式会社ホームページ
URL:https://www.tnhk.co.jp/service/sf6/
基本は正立状態で取付をお願いします。
倒立、横倒し状態での取付けた場合、問題が発生することがあります。
(一部製品では、特殊設計を施して倒立、横田倒しで取付可能な製品もありますのでお問い合わせください。)
高圧進相コンデンサ及び付属機器は15年、低圧進相コンデンサ及び付属機器は10年です。
温度種別Aは最高周囲温度が40℃(24時間平均35℃以下、年間平均25℃以下)、温度種別Bは最高周囲温度が50℃(24時間平均45℃以下、年間平均35℃以下)です。
高圧進相コンデンサは温度種別B、高圧直列リアクトルはモールドタイプが温度種別B、油入りは温度種別Aを標準としています。
しかし、油入の高圧直列リアクトルで温度種別Bの要求も多くあり、カタログ化して準標準としてラインナップしています。
コンデンサは一度採油すると再使用はできませんので、採油後は廃棄してください。
誘導電動機がコンデンサと並列接続のまま電源から開放されると、電圧が誘起され過電圧が発生し(自己励磁現象)、誘導電動機の焼損、コンデンサの絶縁破壊を招く恐れがあります。
内線規程(JEAC8001)にて定められているコンデンサの容量を選定すれば本問題(自己励磁現象の発生)ありません。
放電抵抗は高圧:5分間に50V以下、低圧:3分間に75V以下にします。
放電コイルは5秒間に50V以下にします。ただ、5秒間隔で連続5回の放電を行った場合には、3時間以上の休止時間が必要ですので注意ください。
進相コンデンサは素子種別の異なる2種類のコンデンサ(はく電極コンデンサ(NH)と蒸着電極コンデンサ(SH))がありJIS C 4902に定められています。
NHコンデンサは従来よりある電極をアルミ箔で構成した自己回復することができないコンデンサで、SHコンデンサは電極を蒸着金属としたコンデンサで、自己回復することができるコンデンサです。
自己回復(Self Healing)とは、誘電体(フィルム)の一部が絶縁破壊した場合、破壊点に隣接する電極の微小面積が消滅することによって、瞬間的にコンデンサとしての機能を復元すること。自己回復する蒸着電極コンデンサをSH(Self Healing)コンデンサ、自己回復しないはく電極コンデンサをNH(Non-self Healing)コンデンサと称します。
ニチコンの油入り進相用コンデンサは、全てSHコンデンサで、全てに保安装置内蔵をしています。
万一のコンデンサの異常時には、内蔵している保安装置が動作して、安全に電路より切り離します。
保安装置内蔵コンデンサはJIS C 4902で下記のように定義されています。
「蒸着電極コンデンサの安全性を特に増すため,コンデンサの内部に異常が生じた際,異常素子又は素体に電圧が加わらないように切り離しできる装置を組み込んだコンデンサ。」
ニチコンの油入り高圧進相コンデンサは全て保安装置内蔵コンデンサです。
変圧器のタップ変更で3300V(6600V)に変更できない場合は、過電圧のためコンデンサ寿命が短くなりますので、回路電圧3450V(6900V)製品を使用ください。
回路電圧3450V(6900V)製品はカタログラインナップにありませんが、製作可能ですので、ご要望の際はお問い合わせください。
直列リアクトルのコイルには極性がありませんので、1次側と2次側を逆に接続しても問題はありません。
直列リアクトルを使用している場合は定格電流の7~10倍。直列リアクトルがなく、並列に大きなコンデンサを接続している場合は、定格電流の数百倍となります。
回路電圧は回路の公称電圧。定格電圧は連続的にコンデンサ、リアクトルが耐えることができる線路端子間正弦波の実効値です。
三相コンデンサ定格電流は下記式により求められます。
[計算式]
I=Q×103/(√3U)
I | : | 定格電流(A) |
Q | : | 定格容量(kvar) |
U | : | 定格電圧(V) |
例)7020[6600/(1-0.06)]V,106[100/(1-0.06)]Kvarの場合、
I=(100/(1-0.06))×103/(√3×(6600/(1-0.06)))=8.75A
kvar-μF換算式は次のとおりです。
C | : | 静電容量(μF) |
Q | : | コンデンサ容量(kvar) |
f | : | 周波数(Hz) |
E | : | 定格電圧(V) |
π | : | 円周率(3.14) |
上記で3相分のコンデンサ容量を求めた後、2端子間の容量に換算します。
2端子間の静電容量値は内部がY結線、Δ結線どちらでも同じ値となります。
例)7020[6600/(1-0.06)]V,106[100/(1-0.06)]Kvar、50Hzの場合、
C=Q/2πfE2=100/(1-0.06)×109/[2π×50×{6600/(1-0.06)}2]=6.87(μF)
三相で6.87μFであり、端子間の基準となる容量値は6.87/2=3.43μFとなります。
過剰な高調波流入により、温度プロテクタによる保護が働いたものと考えられます。
外観の異常有無と、静電容量が仕様範囲内(-5~+10%、2端子間の最大値と最小値の比が1.08以下)であること、端子一括と外箱間の絶縁抵抗が1000MΩ以上であることを確認してください。
コンデンサが故障しておりますので、継続使用はしないで下さい。
定格電圧以下であれば使用することは可能ですが、容量が電圧の2乗に比例して小さくなります。
異電圧での進相コンデンサ、直列リアクトルの使用について
進相コンデンサおよび直列リアクトルは、定格電圧以下の電圧であれば問題なくご使用いただくことが可能です。
ただ、その際は容量(kvar)が変化いたしますのでご注意ください。
使用回路電圧での設備容量(kvar)=定格設備容量(kvar)×(使用回路電圧/製品の回路電圧)2
例)回路電圧220V 定格設備容量50kvar L=6%のコンデンサ・リアクトルを回路電圧200Vで使用した場合
回路電圧200Vでの設備容量(kvar)=50(kvar)×(200/220)2=41.3(kvar)
・コンデンサのみでのご使用の場合
50Hzコンデンサの60Hz地区で使用することはできません。
60Hzコンデンサの50Hz地区で使用は可能ですが、容量は1/1.2倍となります。
・直列リアクトル付属の場合
共振点のズレにより、過剰な高調波流入、又は過電圧となりますので使用できません。
高圧回路の接地工事はA種を適用し、接地線の太さ(銅線)は5.5mm2以上を推奨します。
低圧回路は300V以下はD種、300Vを超えるものはC種を適用し、接地線の太さは下記表を参照ください。(JEM-TR 182)
一般的に遮断機のサージ抑制に直列抵抗有のサージ吸収用コンデンサをご使用頂いております。
コンデンサ油サンプリングマニュアルを参照ください。
コンデンサ油サンプリングマニュアル
電気設備工事指針の施工の試験として、6.6kVの場合10350V、10分間印可するよう記載されています。
コンデンサの接続位置を誤ると電動機巻き線とコンデンサが直列になりコンデンサが過電圧となります。コンデンサは始動器の電源側に接続してください。
端子ボルトの材質は黄銅です。
交換できません。