ニチコン株式会社
京都市中京区烏丸通御池上る
TEL.075-231-8461 FAX.075-256-4158
問合せ先 コンデンサ事業本部長 関 正信
ニチコン株式会社は、車載分野や産業機器分野で要求されるアルミ電解コンデンサの高性能化に対応するために、高温度・長寿命・高リプル対応となる導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「GYAシリーズ」を開発しました。本製品を10月4日(火)~7日(金)幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2016」に出展します。
概要・開発背景
近年、車載分野や産業機器分野においては電子制御化や小型化が進んでおり、アルミ電解コンデンサが搭載される基板やユニットも高性能化・高密度実装が進んでいます。
また、エンジンECUユニット等は高温度環境が想定されるエンジンルーム内へ搭載されることが多く、アルミ電解コンデンサにはこれまで以上に高温度化や長寿命・高リプル対応の要望が高まっています。当社の主力製品として電解質に電解液を用いた非固体アルミ電解コンデンサと、導電性高分子を用いた導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを生産していますが、これまで培ってきた電解液開発技術と導電性高分子の成膜技術を融合し、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサを開発しました。本製品の開発により、車載分野をはじめ様々な用途に対し高性能化・長寿命化へ貢献できると考えています。
特長
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサは、電解質に導電性高分子と電解液を採用することで導電性高分子の特長である低ESR性能と高耐熱性能に加え、電解液による酸化皮膜修復性能を併せ持っています。今回開発の製品は、非固体アルミ電解コンデンサと比較して寿命で125℃1000時間以上の長寿命化、許容リプル電流で4倍以上の高リプル化を実現しています。一方、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサに比較して漏れ電流を約1/5に低減しており、ユニットの省電力化に寄与します。また、電解液がエッチングピット深部まで行き渡るため、一般的な導電性高分子アルミ固体電解コンデンサと比較して約4倍の容量が得られます。ニチコンは独自の導電性高分子の成膜技術と導電性高分子膜の物性にマッチングさせた電解液を開発することで、125℃での業界最高レベルの4000時間保証とし、高信頼性化を実現しました。
主な仕様
・定格電圧範囲 | : | 25~63V |
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・定格静電容量範囲 | : | 10~330μF |
・カテゴリ温度範囲 | : | -55~+125℃ |
・製品寸法 | : | Φ6.3×5.8L~Φ10×10L(mm) |
・耐久性 | : | 125℃ 4000時間保証 |
・端子形状 | : | チップ形 |
・サンプル | : | 2016年 11月より |
・量産 | : | 2017年来春より [1000k個/月を予定] |
・生産工場 | : | ニチコン岩手株式会社 岩手県岩手郡岩手町大字久保8-17-1 (ISO9001,ISO/TS16949,ISO14001認定取得) |
※語句説明
ECU(Electronic Control Unit):電子制御ユニット
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ
「GYAシリーズ」
以 上