V2Hシステムの新商品 実用性を向上させた第三世代「EVパワー・ステーションⓇVSG3-666CN7」を発表
~小型・軽量・高効率化を実現し、設置の自由度を大幅に向上~

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ニチコン株式会社(代表取締役会長:武田 一平、本社:京都市中京区)は、電動車(EV/PHV)を家庭の電源として活用するV2H(Vehicle to Home 以下“V2H”)システム「EVパワー・ステーション」の新商品を発表し、10月26日(木)~11月5日(日)東京ビッグサイトで開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」で展示・紹介いたします。

ニチコンは、2012年に世界で初めてV2Hを実用化し、国内シェア90%を占めるV2Hシステムのリーディングカンパニーです。2019年からは第二世代の“系統連系型V2Hシステム「EVパワー・ステーション」”を発売中です。この度、お客さまのご意見・ご要望を反映した第三世代の「EVパワー・ステーション」VSG3-666CN7の開発を完了しました。

開発背景

V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、電動車(EV/PHV)に充電、電動車の電力を家庭に給電できるシステムです。災害時に電動車を非常用電源として活用できるほか、太陽光発電と組み合わせるとカーボンニュートラルな生活の実現が可能となります。また、電力ひっ迫時には電動車に蓄えた電力をV2Hで放電することで電力需要の調整力としても期待されています。太陽光で発電した(余剰)電力を電動車に充電したり、電動車に蓄えた電力を家庭へ給電し活用できることから、再生可能エネルギー『固定買取制度』(FIT)を終了し、太陽光発電の自家消費をめざすご家庭を中心に導入が進んでいます。

世界は2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速しており、日本でも2030年に新車販売台数の20~30%をEV/PHVにする目標が掲げられ、V2HもEV/PHVの増加に呼応して市場拡大が予想されています。また、電力需給のひっ迫や電気代の高騰、自然災害の甚大化など生活不安も高まっています。こうした中、ニチコンはカーボンニュートラル実現と災害へのレジリエンス強化に貢献するため、より多くのご家庭でご利用いただける新型「EVパワー・ステーション」を開発しました。

特長

「新型EVパワー・ステーション VSG3-666CN7」は、電動車を200Vコンセントからの充電に比べ最大2倍のスピードで充電できる(倍速充電)や、ご家庭の契約電力に合わせて充電電力を制御することでブレーカー落ちさせない(インテリ充電)、停電時(自立運転時)でも200V、最大6kVAの給電能力で家まるごとバックアップできるといった現行モデルからの機能は踏襲し、下記の項目を強化しています。

1. セパレート化、小型・軽量化

 パワーユニット(PCS本体)とプラグホルダ(操作部)にセパレート化することで、設置の自由度と
 使い勝手を向上させました。駐車場にはプラグホルダのみを設置すればよく、狭い駐車場でも
 設置が可能となりました。

 また、現行モデルから大幅な軽量化を行い、国内最小・最軽量クラスを実現。軽量化によりパワ
 ーユニット、プラグホルダともに壁掛設置も可能となり、パワーユニットは壁掛・据置、プラグ
 ホルダも壁掛・ポール設置が選択いただけます。

 またプラグホルダは、スタイリッシュな形状とし、シルバーとブラウンの2種類をご用意しました。

  ➀セパレート化:一体型→パワーユニットとプラグホルダに分離

  ②小型・軽量化:パワーユニット29.4㎏+プラグホルダ8.5㎏、合計37.9kg
   (現行モデル91kgから△58%)

   <壁 掛>

   <据 置>

   ③操作機能を納めたプラグホルダ部にカラーバリエーションを用意

2.停電時の自動切替(電動車に接続されていると自動で給電を開始します。)

 独自開発した自動切替開閉器採用により、停電時は、自動的に電動車からの放電を開始しま
 す。現行モデルで必要な切り替えスイッチや12Vケーブルを用いての起動操作は不要です。
 また、自動切替開閉器により、新たにV2H専用分電盤を取り付ける必要が無くなり、さらに電力
 配線が簡素化できることから施工費用の低減や設置スペースの削減が可能となります。

3. 新回路システム採用による高効率化

 CLLC双方向コンバータを用いた新電力変換回路と当社独自の制御技術を組み合わせた新回
 路システムの採用により、大幅な小型・軽量化と高効率化を実現。あわせて、SiC MOS FET
 の採用とインバータ回路の最適化による損失の低減を行ない、軽負荷時も約10%の効率UPを
 実現。(当社現行モデル比) 

 ※CLLC双方向コンバータ: 小型、高効率、低ノイズ向け双方向(充放電)DCDCコンバータ

 ※SiC MOS FET: Silicon carbide metal-oxide-semiconductor field-effect
           transistor
          (シリコンカーバイト金属酸化膜半導体電解効果トランジスタ)

4. その他
  厳しい設置環境への対応
  熱帯化する日本の酷暑にも対応するため、動作温度範囲の上限を50℃としました。
  重塩害品もオプションで準備しています。
  12年のV2H販売で培ったノウハウ、信頼性高い回路システムの採用により『安心の10年保
  証』を実現しています。

仕 様(現行モデルとの比較

■希望小売価格:¥1,280,000(消費税・設置工事費別)

■発売開始予定:2024年3月

■目標販売台数:48,000台/3年

写 真

パワーユニット(壁掛)   プラグホルダ(壁掛)

    パワーユニット(据置)  プラグホルダ(据置)

今後について

ニチコンはV2Hシステム「EVパワー・ステーション」の他に、太陽光発電・蓄電池・V2Hシステムを高効率に連携させた「トライブリッド蓄電システム」や家庭用蓄電システム「パワーオアシス」など、各ご家庭に合わせて最適な電気活用を提案する豊富な製品をラインアップし、家庭で電気を「創る・蓄える・使う」といった電力の「家産家消」を推進しています。これからも価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献してまいります。

ニチコン株式会社について

ニチコン株式会社 概要

所  在  地 : 京都市中京区烏丸通御池上る

代  表  者 : 代表取締役会長 武田 一平

設立年月日 : 1950 年 8 月 1 日

資  本  金 : 14,286 百万円 (2023 年 3 月 31 日現在)

従 業 員 数: 5,408 名(2023 年 3 月 31 日現在 連結)

事 業 内 容: アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池、 正特性サ
      ーミスタ、家庭用蓄電システム、V2H システム、EV・PHV 用急速充電器、公共・産業
      用蓄電システム、 スイッチング電源、機能モジュール、医療用加速器電源、学術研究
      用加速器電源、瞬低・停電補償装置など

売  上  高 : 184,725 百万円(2023 年 3 月期 連結)

以 上

事業に関するお問い合わせ :執行役員NECST事業本部長 桃井 恒浩 TEL:075-231-8461

製品に関するお問い合わせ :お客様相談室 TEL:0120-215-023

報道機関からのお問い合わせ:広報・IR室   TEL:075-241-5338(直)

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