2024.05.21製品

チップ形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサ「PCWシリーズ」の定格拡充

　ニチコン株式会社は、車載分野および通信分野等において要求が高まっている、高温度におけるリプル電流重畳保証のチップ形導電性高分子アルミ二ウム固体電解コンデンサ「ＰＣＷシリーズ」について定格静電容量を拡大しました。「ＰＣＷシリーズ」は導電性高分子アルミ二ウム固体電解コンデンサで業界初のリプル電流重畳保証品であり、この度の定格静電容量拡大により高温度対応が必要な基板設計に貢献致します。
　本製品を5月２２日～２４日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」に出展します。

概要・開発背景

　電装化が進んだ車載回路において、ＰＭＩＣまたはＣＰＵ／ＧＰＵ向けに多くの低電圧回路が搭載されています。そのような背景のなかで、当社は高温度・高信頼の要求が高まってきており、業界初となる高温１２５℃２，０００時間を満足するリプル電流重畳保証のチップ形導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「ＰＣＷシリーズ」を２０２２年に市場投入し、提案してまいりました。
　今回、従来の製品サイズに⌀８×７Ｌおよび⌀８×１０Ｌを加え、定格静電容量を３９０μＦから１８００μＦまで拡大しました。今回のサイズ拡充により高容量・高リプルが求められる様々な使用用途に応じて、幅広い提案が可能となり、セット機器のさらなる高性能化および最適化に寄与できます。

特　長

　電解質に導電性高分子を用いたアルミ二ウム固体電解コンデンサは、高周波数領域における優れたＥＳＲ特性に加え、許容リプル電流耐性にも優れた特長を有する製品です。
　「ＰＣＷシリーズ」は、高温中でも安定した特性を得るため高耐熱性の封止ゴムを使用しました。また、製品の自己発熱低減のため、リード種等部材の最適化を実施し低ＥＳＲ品となっています。
　また、導電性タイプでは、業界初となるリプル重畳保証かつ高リプル電流を実現しており、低電圧帯にて高リプル電流が必要な回路に貢献します。
　「ＰＣＷシリーズ」について、従来の製品サイズ⌀５×６Ｌおよび⌀６．３×６Ｌに、新たに⌀８×７Ｌおよび⌀８×１０Ｌを加え、定格静電容量を３９０μＦから１８００μＦまで拡大したことにより、これまで要求の多かった高容量・高リプルを必要とする回路設計に対してコンデンサの員数削減やノイズ対策などに寄与できます。