急速充放電、長寿命、低温特性、安全性を高次元で実現した小形リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」の高温耐久品(80℃)を開発

 ニチコン株式会社(代表取締役会長:武田 一平、本社:京都市中京区、以下「当社」)は、急速充
放電可能で、長寿命で安全な小形リチウムイオン二次電池「SLB シリーズ」に、使用温度範囲が
-30℃から80℃までの高温耐久品を開発しました。なお、1月7日から10日にアメリカ・ラスベガス
で開催される世界最大の電子機器展示会である「CES 2025」にて本製品を紹介いたします。
(North Hall, Booth #10471)

概要・開発背景


 当社が開発した「SLBシリーズ」は2019年の発売以来、急速充放電、長寿命、低温特性、安全性を備えた小形リチウムイオン二次電池として、情報通信機器を中心に、累計出荷数が9,000万個以上となる同市場におけるベストセラー製品です。

 近年、IoTやビッグデータが注目を集める中、それらを支える重要な要素としてリチウムイオン二次電池の必要性が高まっています。IoTデバイスはセンサーや通信モジュールなどで構成されており、これらを動作させるためには安定した電源供給が必要です。リチウムイオン二次電池は安定電源として最適ですが、IoTデバイスのデータ収集の継続性やメンテナンスコストを考慮すると電池の寿命特性が重要となります。また、データを収集したい環境の広がりと共に、電池には極低温から高温まで対応できる広範な温度耐久性が求められています。優れた性能を有する「SLBシリーズ」に高温耐久性能をプラスする事で、より多くの市場ニーズに応えることを目的に開発を実施しました。

特長


 本開発では、従来製品の高温環境下での劣化メカニズムを解析し、電極箔、電解液仕様を最適化することで、高温耐久性を向上させた製品を開発しました。本開発品は、80℃環境下での充放電サイクル試験(20Cレート、放電深度100%)において、容量維持率80%に至るまでのサイクル回数を約19,000回まで増加させることに成功しました。本開発品は「SLBシリーズ」の使用温度範囲:-30℃~80℃対応の高温耐久品として拡充を予定しています。サイズラインアップは、φ直径8mm、高さ11.5mm、容量10mAh品から開始し、順次、他サイズ・容量の展開を予定しています。

 本製品は、屋外で使用されるIoTデバイスや産業機器、社会インフラ市場から求められる高温環境下での使用に対する市場ニーズを満たすことが出来る高い温度耐久性を備えています。また、常温環境下での長寿命化も期待できることから、デバイスのメンテナンスフリー化を実現し、社会課題の解決に貢献します。

仕様


  従来製品 高温耐久品
 使用温度範囲  -30℃ ~ 60℃  -30℃ ~ 80℃
 公称電圧  2.4V  2.1V
 電圧範囲  最大充電電圧  2.8V  2.5V
 放電終止電圧  1.8V  1.5V
 公称容量  14mAh  10mAh
 最大充放電電流(Cレート)  280mA (20C)  200mAh (20C)
 寸法  直径 × 高さ  8mm × 11.5mm  8mm × 11.5mm
 重量  1.2g  1.3g

 

端子形状  リード線形
サンプル   2025年1月より
量産   2025年4月より
生産工場 ニチコン大野株式会社 福井工場
福井県大野市土布子第 4 号 24 番地 15 テクノロジーセンター内
(ISO9001, IATF16949, ISO14001認定取得)

製品写真


小形リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」

以 上

製品に関するお問い合わせ:執行役員 コンデンサ事業本部長 西田伸之 TEL:075-231-8461

報道機関からのお問い合わせ:広報・IR部  TEL:075-241-5338(直)

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