ニチコン株式会社は、プロセッシング・ユニット用の電源回路に最適な高さ2mm以下で大容量かつ低ESRを実現した、積層形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサ「KBAシリーズ」を開発しました。
概要・開発背景
今日のコンピューティング環境では、CPU、GPU、FPGA、ASIC などの高性能プロセッシング・ユニットが広く使用されています。これらの消費電力は性能向上に伴って増大しており、5G対応の高周波アプリケーションでも活用されていることから、電源に対しては高出力化に加え低ノイズ化の要求が高まっています。
こうしたアプリケーションでは、複数の降圧コンバータを用いたマルチフェーズ電源回路が一般的で、多数の出力コンデンサが必要となります。高出力化に伴う発熱対策も必須であり、大型ヒートシンクの配置や実装面積の最適化の観点から、大容量コンデンサをヒートシンクの直下に配置することが求められています。
当社はこうした市場ニーズに応え、105℃ 2,000時間保証、高さ2mm以下、低ESR 4.5mΩを実現した積層形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサ「KBAシリーズ」を開発、量産開始しました。
さらに、従来のサーバー性能を大きく上回るAIサーバーや、5G基地局など高度化する通信インフラ、増加するデータ通信量に対応するサーバー向けには、出力コンデンサに対して大容量、低ESRに加えて高信頼性が求められており、125℃対応品や3mΩ保証の超低ESR品、高温高湿対応品の開発も進めており、2026年度中にラインアップ追加を予定しています。
特 長
「KBAシリーズ」は、従来のアルミ箔とセパレータを巻回した素子に導電性高分子を陰極として用いる巻回形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサとは異なり、アルミ箔上に導電性高分子を成膜した薄膜素子をリードフレーム上に複数枚積層し、半導体用トランスファーモールド樹脂で封止したチップ形の固体コンデンサです。巻回形では構造上低背化に限界がありますが、積層チップ形を採用することで高さ2mm以下を実現しました。さらに素子構造を最適化することで、7.3mm×4.3mmのDケースサイズにて、2.0V/470µF、2.5V/470µF の高容量と、4.5mΩの低ESRを両立しています。
本製品により、低ノイズかつ大容量を求められる電源回路の出力コンデンサを、多数のMLCCから数個へと集約でき、実装面積の効率化とコスト削減に貢献します。加えて低ESRにより電圧変動を抑制できるため、電源回路の大電流化や高速動作、機器の安定稼働に寄与します。
表.積層形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサのシリーズラインアップの予定

仕 様
| シリーズ | : |
KBAシリーズ |
| 定格電圧範囲 | : |
2.0V, 2.5V |
| 定格静電容量範囲 | : | 330µF, 470μF |
| カテゴリ温度範囲 | : | -55 ~ 105℃ |
| 製品寸法 | : | L7.3mm×W4.3mm×H1.9mm |
| 耐久性 | : | 105℃ 2,000時間保証(定格電圧印加) |
| 端子形状 | : | 樹脂モールドチップ形 |
| サンプル | : | 対応中 |
| 量産 | : | 2026年5月から量産開始予定、2026年度内に1,000万個/月に拡大予定 |
| 生産国 | : |
日本 |
製品写真

積層形導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサ
「KBAシリーズ」
以 上
製品に関するお問い合わせ:コンデンサ事業本部長 渡邊 健司 TEL:075-231-8461
報道機関からのお問い合わせ:広報・IR部 TEL:075-241-5338








